2010年5月26日水曜日

国家の謀略


●概要

”異能の外交官”が明かす諜報戦争の舞台裏

『国家の罠』などのベストセラーを持つ佐藤優氏による“初のインテリジェンス指南書”。世界の インテリジェンス哲学・技法から、スパイは「酒・金・セックス」を使ってどのように標的を籠絡するかまでを伝授。


●内容

○インフォメーション
新聞やテレビなどのマスメディア、あるいは噂話やインターネットで入ってくる情報である


○インテリジェンス
インフォメーションと区別され、情報の正確さ、その情報の背景にある事情、またその情報がどのような役に立つかについて評価を加えられたもの


◯インテリジェンスの種類1(諜報)
諜報とは、相手にできるだけこちらの意図を悟られずに、相手が隠そうとする情報を入手することである


◯インテリジェンスの種類2(防諜)
防諜とは、こちらが隠したい情報を相手に取られないようにすることである


◯インテリジェンスの種類3(宣伝)
宣伝とは、ある出来事を説明することで、こちらが有利になるような影響を相手に与えることである


◯インテリジェンスの種類4(謀略)
謀略とは、こちらの弱点をできるだけ隠し、有利な点を誇張することにより、実力以上の成果を相手から獲得することである


◯戦前の情報大国
イギリス、ソ連、日本


◯戦後の情報大国
イギリス、イスラエル、ロシア


◯アメリカのインテリジェンス
元々軍事力が強力なため、インテリジェンスを駆使しなくとも戦いに勝ててしまうため、高くない
他国、他民族の内在的ロジックを捉えるインテリジェンス文化が育ちにくい


◯イギリスのインテリジェンス
「真実のような嘘」と「嘘のような真実」を巧みにブレンドして伝えることがイギリス流インテリジェンス
イギリスはインテリジェンスに本気で取り組むときはBBCを最大限に活用する
他社の内在的論理を理解する能力が長けている。またやりすぎない



◯中小国のインテリジェンス
中小国ほど特定分野に強いインテリジェンスを持っている
ヨルダンのチェチェン情報、エストニアのロシア情報、オーストラリアのインドネシア、パプワニューギニア情報、バチカンの中東情報


◯エリント
アメリカ型インテリジェンス。
CIAは、情報収集、評価、分析部門を厳格に区別する。
人間誰しも自らが収集した情報の重要性を過大視する傾向があるので、情報収集者の主観を排除して客観性を高めるため、情報収集、評価、分析に関わる部局を厳格に区別する。
例えば中国分析官には中国語の知識は必要とされず、英訳された資料の分析に専念する。現地にも偏見をもたらすため訪問しない
また、政策の企画、立案とは一切離れた独立の機関であることが、政策によって情報が歪められないためには不可欠だと考える


◯ヒュミント
イギリス型インテリジェンス。
理論よりも経験を重視する柔軟性にある。また長い期間かけて育成した人間的ネットワークを最大限に活用する
謀略の極意は相手の生活環境に自ら入っていって宣伝することと考える


◯アルジャジーラ
アルジャジーラは現在もBBCやイギリス政府とは良好な関係を維持しており、放送されなかった有益な情報がアルジャジーラからイギリスに流れていることは有名である


◯ラヂオプレス
戦後、外務省ラジオ室は財団法人ラヂオプレスに再編され現在に至るが、1994年の金日成死去を世界で最も早く掴み報じるなど今もインテリジェンスの世界で重要な役割を演じている


◯宣伝の定義
「他人が影響をうけるように物事を陳述すること」


◯謎かけ戦術
ロシアが得意とする謀略宣伝技法


◯日本人への警告
最果ての島国に住む日本人は、鎖国的で、鈍感である。しかし、大国は平時でも悪知恵を働かせて、世界的なスケールで謀略宣伝をしてくるのだから、油断は禁物である


◯ヒュミントで情報を入手できるかどうかの基準
第一は協力者がこちら側の知りたがっている情報を入手出来る立場にいるかどうか
第二は協力者が入手した情報を正確に教えてくれるかどうか


◯毒
日本人は政争が激しくなっても毒まで用いるとは信じがたいが、国際スタンダードでは決して珍しくない
シグナルとして毒を用いるのは、ビザンツ帝国の伝統を継承するロシアやウクライナ、ブルガリアやルーマニアではそれほど異例なことではない


◯シグナルのキャッチボール
ヒュミントの世界では、ポジティブインテリジェンスとカウンターインテリジェンスの一進一退のせめぎ合いが日常的に行われている
シグナルのキャッチボールにおいてどこまで踏み込めば相手をどの程度刺激し、それに対してどのような反応が来るかを読むのが専門家の腕である


◯独裁者の情報
独裁者や大統領に極端に権力が集中する国は、首脳の健康状態に関する情報には大きな意味がある
ヒュミント専門家は事あるごとに要人と関係を持つ主治医と接触しようとする
会合などにおいて皮膚や糞尿を入手することもありうる。そのような場合、時刻から持ち込んだ専用の資材で用を足す


◯諜報機関の採用
一つに縁故型。この手の組織は、諜報機関が募集するとインテリジェンスオタクが集まると考え、実際の採用活動の妨げになると考えている
それらの組織は一般的に大学や軍隊から人材を探す


◯自国内の諜報員追放
国際法では「ペルソナ・ノン・グラータ」(好ましくない人物)として国外追放できる
これは基本的に理由を示さなくても良い


◯ペルソナ・ノン・グラータをされた際の対抗策
こちら側もペルソナ・ノン・グラータで外交官を追放するのがゲームのルール。
これを行わなければ「非合法な諜報活動を認め、謝罪したと」受け止められる


◯暗殺の文化
CIA:自動車事故
KGB:偽装自殺


◯暗号と解読
暗号は必ず解読されることが常識である
問題はどの程度の手間と時間をかけるかにある
解読できなくても、通信料が突然多くなると「何か異変が起きている」と分かるので、インテリジェンス専門家はいつもと異なる観察体制をとる


◯第一印象
第一印象は約20秒で形成される。ここで悪印象を持たれると、それを崩す工作には最低1年はかかる


◯インテリジェンスの要訣
現在我々が持っているカードが何であるかを正確に理解し、そのカードをどのように組み合わせ、どの順番で出すかに尽きる


◯秘密業務を行う局の扱い
インテリジェンス関係での公の情報提供は報道担当部局に限定し、実際に秘密業務に従事している部局は隠すというのが国際スタンダード


◯ディス・インフォメーション(偽情報)
断片的な事実を与え、利害相反国に真実と異なる認識を持たせること


○電信官
暗号電報の解読と組み立てを行う、外交業務の中でも秘密にアクセスすることの多い職種


○自衛隊のインテリジェンス能力
国際基準で見た場合、相当高い電波傍受情報の能力の高さについては国際的に定評がある
中国、北朝鮮、ロシアなどの交換物の翻訳、分析して公開情報から秘密を探る文章諜報のプロ集団である中央資料隊の能力は高い
また陸上自衛隊の情報保全隊も防諜のプロ集団で、職員の士気・能力ともに高い


◯防衛駐在官の問題点
日本の場合、防衛駐在官は外務官僚の監督下に置かれ、軍事情報に関する機密情報も防衛庁に直接送ることはできず、一旦外務省を経由しなけれあならない


◯亡命者
地位が低い亡命者は、亡命先での高待遇を期待して、伝聞や創作の話をすることが多い
また、亡命を装って、こちら側を情報操作するという工作も時々使われる
政争のために失脚したもの、あるいは事件に巻き込まれて追放されたものは絶好の情報源である


◯テロの目的
精神に変調を来した人物や、狂信者が突発的に行うものではない。計画性を持って、何らかの利益を求めて行うものだ


◯テロの対処法
テロは政治目的を持って行われるビジネスである。従ってテロによって政治目的が達成されないということがわかれば、テロリズムという流行は去る。そのためには国民がテロに対して怯えないことである


◯自爆テロ
イスラエルでは、従来型の戦争に代わる新たな驚異がテロリズムで、その最も進化した形態が自爆テロであると分析していた


◯イスラエルとロシア
イスラエルはロシアと関係が深く、北方領土関連の情報やロビー活動に最適の場である


◯よい情報源
よい情報を持っている人は社会的地位が高く、倫理的に潔癖な人物が多い


◯弱み
「弱みとは、本人が弱みと思った瞬間に弱みになる」


◯酒金女
酒にしてもセックスにしても限度はある
しかしカネには限度がない。インテリジェンスの世界では「カネが好きなやつは協力者にするな」ということは通説になっている
ただし協力者が医療費、子供の学費、住宅の購入などの使途が明確に鳴っているカネに困っているときは、ヒュミント専門家はそれを最大限に利用し、カネを用立てる


「謀略とは誠」である
陸軍中野学校の教育
「誠」「愛」という一見、工作目的のために協力者を獲得することとは全く異質の原理から出発するところに日本独自のヒュミント文化がある


◯ヒュミントと協力者
協力者に「運営されている」という意識をそれほどもたせずに、自発的に協力しているパートナーであるとの「物語」を維持することがよい情報を得るためには不可欠である


◯協力者の情報
協力者の情報を批判することにより、こちらがどの程度情報をつかんでいるか、あるいはこちら側の意図をつかまれる可能性がある。批判しないで全て受け入れる


◯マキャベリズム
「目的のためには手段を選ばない」といわれるマキャベリズムは、手段の正当性を目的の正当性が優越するリアリズムの哲学である


◯死生観
インテリジェンスに従事するものの国際スタンダードの死生観は、生死の形態にとらわれることなく、生命を最も効果ある形で国家のために使う目的合理性に基づいている


◯諜報員の資質
「ノリつつシラケ、シラケつつノル」ことができる資質を求められる


◯優れたインテリジェンス
優れたインテリジェンス工作はその姿が見えない。従って、何もやらなかった時と、工作が成功した時が表面上同じように見えるのである


◯中野教育の本質
「この道においては、全てが参考意見に過ぎない。自分で考え、自分で編み出し、自分で結論せよということである


◯北朝鮮と中野学校
北朝鮮が陸軍中野学校の教材を用いてインテリジェンス教育を行っているという情報がある


◯マキャベリの首脳像
国家首脳は優しい顔をすることで不利な内容、不愉快な内容を含め、正確な情報を得ることができるが、同時に優しい顔ばかりして怖さのない人物は威厳を低下させるので、両要素のバランスを取ることが求められてると主張する


◯政治とインテリジェンス
・国家首脳は、分野別に専門能力の高いインテリジェンス専門家を数名選び、首脳が関心をもつ事項についてのみ当該専門家に率直に語ることを命ずる
・国家首脳は、インテリジェンス専門家が耳障りな情報を伝えても、それに対して感謝し、専門家が率直に語れば語るほど当該専門家を大切にするように努める
・国家首脳は専門知識に裏打ちされていない見解には耳を傾けない
・国家首脳は、意見に十分に耳を傾けるが、政策は自らの政治決断で採択する
・国家首脳は、自ら決断で採択した政策を断固貫かなければならない
・上記を満たさなければ、雑多な意見に振り回されて、最終的には国民の信頼を失う


◯情報工作の定石
疑惑が抱かれにくい通常の接触の中で機密情報をもらすというのが情報操作工作の定石だ


◯アメリカの国内宣伝
アメリカにとっては、戦時でも国内宣伝の方がプロパガンダよりもはるかに重要である
内部さえしっかりしていれば、他国を潰すことなど簡単だと思っている


◯他社の行動原理
我々には理解できない行動をする国家や組織も鼓動原理を持っている。それを読み取ることができないのはこちら側に偏見があるか間違っているかである


◯シュタージ
東ドイツの秘密警察
2つの系譜がある。ナチスのゲシュタポとそれに添え木されたKGBである


◯シュタージの職務
罪の意識や後悔の念がまるでないのは、職員に対する教育が「われわれは政治と関係なく言われた職務を忠実に遂行する」ものだからである
それがシュタージの怖さでもある


◯ドイツ人インテリジェンスの弱点
物事を徹底的に理論的に分析し、法則性を捉えて、それを現実に適用するという優等生的な思考から離れることができないこと


◯大敵宣伝のポイント
現在の科学では手の届かない、摩訶不思議な動きをする人間心理が対象なのだから、単に学問的な態度だけで大敵宣伝ができると思ったら、大間違いである
「大敵宣伝で二番せんじは禁物である」


◯スターリンの信仰
グルジア正教の神学学校出身
キリスト教の教義と宗教の持つ力を熟知していた


◯ウボデカ
旧ソ連時代の外交世話部。外務省はここでしかチケット等の手配ができない
ソ連外務省の附属機関であるが、KGBの出先機関であるということは公然の秘密だった


◯帝国主義と民族
民族の関係が急速に良くなったり、悪くなったりするのは、帝国主義の特徴である。
帝国主義国は、少数民族にあたかも同情するがごとき振りをして自国の利益だけを追求する
少数民族の民族紛争は、背後の大国の思惑で発生する


◯チェチェン、イングーシ人の血の掟
チェチェン、イングーシ人の男子は、仇もしくは仇の7代目までの男系子孫を殺すことが義務付けられている


◯イスラエルの海外情報担当
外務省、モサド、アマン


◯イスラエル外務省
イスラエルと関係を持つ国家担当


◯モサド
自国の驚異となる、その大多数は外交関係を持たない諸国


◯アマン
軍事に関係する事項ならば国内、国外すべてを担当する


◯国家のミスと首相と官僚
首相の判断ミスで国家が消滅するならば、そのような首相を選んだ国民自身の責任になる。官僚の判断で国を誤ることは国民に対する背信行為である


◯ユダヤ人の考え方
「やられたらやり返す」
「ユダヤ人は全世界に同情されながら死に絶えるよりも、全世界を敵に回してでも生き残る」

必要ならば国際法を平気で破る


◯インテリジェンスと個人主義
個人主義が強化され、社会的格差が拡大すると、国力が弱くなる
インテリジェンス能力は、国力と正の相関関係があるので、国力が弱くなるとインテリジェンス能力も弱くなる


◯コリント(協力諜報)
情報機関の間での機微な情報の交換


◯外務省のコリント
外務省の外郭団体であるラヂオプレスの北朝鮮の要人の略歴や人事情報は高く評価されている
これらの情報はCIAやモサド、SVRがほしがる


◯国家首脳の発言
インテリジェンスの世界では、国家首脳の重要な内容が平場で口にされたときは、裏での工作は相当進んでいる


◯カトリック協会とバチカン
カトリック協会は、強度の中央集権体制を取っているので、個別の協会の情報は司教区に集まり、司教区の情報は大司教区に集まるといった形で、最終的にバチカンにすべて集まる
宗教的情報以外に、政治、経済、社会情報もバチカンに集まってくる


◯宣教師
宣教師は、赴任先の言語、文化を完全に習得して、相手の内在的論理をつかんだ上で、カトリックの教えを広めることが奨励されている



◯中国のインテリジェンスの特徴
標的を驚異に対してのみに絞る、すなわち戦線を縮小する。敵を作らない
国内ではイスラムとの対立があるため、共産主義国を標榜しながらバチカンとの関係を正常化した


◯中国天主教愛国会
中国の独自のカトリック教会。中国政府公認
ローマ法王庁は認めていない。
司教人事権はローマ法王庁にのみあり、中国はそれを認めない


◯インテリジェンスとヒュミント
結局の所、インテリジェンスはヒュミントに始まりヒュミントに終わる


◯為政者と新聞
為政者の行動は新聞によって影響をうけることが大きい。
公開情報を整理しておくことは重要である


◯金正日と新聞
金正日も新聞の影響を受ける。米中日韓の新聞の影響を受ける。


◯ヒュミントの情報元
元政治家など、権力の内在的ロジックを理解したOBは貴重である
また対象としてトップより、ナンバー2の方が手強い
電話交換手も重要だ


◯防諜機関の調査
公務員や学者のように収入が限られている職種で、外国人に提供できる情報を持っている人物の生活が急に派手になると、防諜機関は内定を開始する


◯外交官からプレゼントされた場合
なにか下心があって送ったに違いない
相手にもらったプレゼント(ここではネクタイ)をそのまま返したのでは情報工作のキャッチボールはできない
ネクタイを2本買って、相手の誕生日にプレゼントする
そして、相手もつまらない賄賂耕作をやめ、五分と五分の情報強力に踏み出してくる可能性がある


◯本を出す人
本を出すような人間は、自分の主張を理解して欲しいという欲望がある


◯相手にものを渡す場合
もらうより借りた方がよい。
借りることで必ず返さなければならないので、二度目の接触が自然に担保される


◯工作と食事
相手と親しくなるには食事が良い。食事をともにとることで心理的に警戒感がなくなる
鍋料理やバーペキューなどは特によい


◯太った外交官
太った外交官は7割方ヒュミントのプロ


◯高級レストラン
工作相手には高級レストランがよい
第一に、こちらが相手を高級レストランで接待するに値する重要人物と見られていることを示すことができる
第二に、ヒュミント担当官が自由に金を使う権限を持っていることを誇示できる


◯食事の保守性
人類は思想、文学、音楽については外来文化を柔軟に受容することができるが、食物に対しては保守性がとても強い


◯外交の知恵
外交の世界ではいまだにテープやICレコーダーを置いて動かぬ証拠となる記録をとることはない
あえて言った言わないの水掛け論になってどちらが嘘をついたという決着がつかないようにするのが外交の知恵だからだ
首相や外相が公式会談で通訳を使うのはいざというとき通訳のミスということで逃げ道をとうしておくためだ


◯ヒュミントのプロの心性
「プレゼントをするのは大好きだが、もらうのは大嫌い」


◯防諜の鉄則
普通の人間が日常的に守ることができない規則は導入しても意味はない


◯外交伝書使
クーリエ。国際法で身分保障が与えられている
外交行嚢(特別な封印がされたバッグ)を運ぶ


◯伝達方法
インテリジェンスの世界では、電話や電信よりあえて原始的なローテクの方が信頼される


◯相手国を知るための重要書1
各国の教科書を研究するのは文書諜報の基本だ。教科書で提供される情報や理論で当該国民の内在的論理が形成されているので、工作をかけるためにはそれを研究するのが早道である


◯相手国を知るための重要書2
古典と神話。
心の奥底に刷り込まれている、普段我々が気づかない内在的論理が分かる


◯インテリジェンスに掛かる人間とは
「インテリジェンスとは基本的に汚い仕事だ。だから、品性のよい人間にしかできない」

2010年5月16日日曜日

SAPIO 世界謀略鉄道の旅

●概要

・秘鉄 これが北朝鮮「将軍様の特別列車」の威容だ
・国策 世界最速の「特急あじあ」と「調査部」を生み出した満鉄の恐るべき実力
・幻の鉄道 「東京発満州行」大東亜共栄圏を突っ走る幻の「弾丸列車」計画を追う
・日の丸鉄道 世界を駆けた! 大日本帝国「鉄路の栄光」
・ゲージ 大隈重信 140年前の「狭軌」採用の功罪
・ワイド 走る走る鉄道トリビア 新幹線トイレを争う2強メーカーの50年戦争
/「自腹訓練」の運転士募集に“鉄ちゃん”殺到
/鉄道会社が内緒にしておきたい会社別「事故率」ランキング」
/日本一効率よく儲けている鉄道とは?
/避けて通れない「マグロ」の話
/ますます加速する「我田引鉄」
/「お召し列車」遅延で自決した鉄道マン

・ビジネス 首相がトップセールスしないから世界一の新幹線・リニアが海外で売れない
・リニア 政治と景気に翻弄され続けた「リニア新幹線」いまだ浮揚せず
・援助外交 アフリカからアフガンまで資源国家を狙い撃ち 中国「侵略鉄道」が世界を真っ赤に染める
・保存版 鉄道兵器大カタログ

【SPECIAL REPORT】中国「対日戦略」が変わった!
・外交部隊 「習近平時代」の対日外交を握るキーマンはこの男だ
・人脈 “親中派”鳩山民主党政権は「与し易し」と足下を見られている
・金融パワー オフィス代6000万円で仕事ゼロ 日本に増殖する「中国休眠会社」の怪
・国土 絵空事ではない! 「沖ノ鳥島爆破計画」の不気味

【不連続連載】『朝日新聞〈朝鮮版〉の研究』第十弾「写真展」と「自慢話」で埋まった満州事変報道


【特別読み物】『戦争英雄は生きている!』生野文介大尉


【FOCUS】橋下徹の大阪教育改革を阻む 天皇陛下ご即位20周年DVD店晒し事件


【FOCUS】金正日が命を削った「電撃訪中」で胡錦濤にすがった「最後の弁明」


【好評連載】小林よしのり『天皇論』追撃篇 「男系継承はシナ宗族制の模倣」/「オカルト化した男系固執教団」


●内容
○満鉄の目的(満州経営策梗概)
「満州経営の唯一の要訣は、陽に鉄道経営の仮面を装い、陰に百般の施設を実行するにある」


◯満鉄調査部
3000人を超える大組織。優秀な人員を思想に関係なく集め、高待遇に処した
ゾルゲ事件の尾崎秀実も満鉄調査部に務めていた


◯「ひかり」「のぞみ」の由来
朝鮮支配時代の関釜連絡線の急行旅客列車に由来する


◯泰緬鉄道
タイ~ビルマをつなぐ鉄道。戦中より軍人、捕虜、現地人等20万を使い急ピッチで敷設を進めた
猛獣や疫病により5万人以上が死亡したといわれている。
しかし、連合軍の攻撃や自然災害により効果的な使われ方はされなかった
別名「死の鉄道」
現在、遊就館に展示されている


○レール幅
世界標準は1435mmだが日本は1067mm。大隈重信が決めた。
これにより日本の鉄道は外国に輸出する際、日本仕様と外国用仕様の2つを作ることになった
ちなみに新幹線は1435mm


◯鉄道メーカービッグ3
シーメンス(ドイツ)、ボンバルディア(カナダ)、アルストム(フランス)
ビッグ3だけで世界シェア40%
ちなみに日立製作所と川崎重工業の合計でも数%だけ


◯日本の鉄道が世界で売れない理由
首相のトップセールス不足。フランス、韓国は積極的に大統領が売り込みをする。


◯鉄道売り込み後の失敗
中国に受注した川崎重工業は技術のブラックボックス化をしなかったため、中国は力をつけ、いまやアメリカに売り込む始末。
ドイツは批判されながらもブラックボックス化して技術を守っている


◯総合力不足
日本の高速鉄道の売り込みは土木、建設、ITなどバラバラに売り込むため発注側からはわかりにくい
一括注文を目指すべし
そのためにそうした専門の財団法人をつくるべきである


◯中国のリニア
中国のリニアは常に電動磁石の反発力を使って車両を浮上させる方式。電磁石の製造は簡単だが、外部から車体遺伝力を供給し続けなければならない
浮上する高さは1cmほど
線路に僅かな狂いが生じるだけで大事故になる


◯日本のリニア
強力な超伝導磁石を10cmほど浮上させる
線路の保守も容易で大地震でも事故に繋がる危険が少ない
ただし超電導状態を続けるため-273度を保ち続けることが課題だった


◯シルクロード高速鉄道計画
中国によるヨーロッパと中国を高速鉄道でつなげる計画
石油や天然ガスはパイプラインを建設した方が合理的だが、鉱物資源等を運ぶため建造中
さらに中国人労働者も運べる


◯新幹線トイレメーカー
・テシカ
・五光製作所
新幹線ではJR東にテシカ、東海に後光。在来線ではJR東に後光、東海にテシカ
と住み分けている


◯マグロ
鉄道に飛び込んで自殺した人の隠語
遺体がマグロのように赤いことからつけられた
鉄道員は淡々と車両の点検と清掃を済ませ、運転再開を目指す


◯お召し列車
天皇陛下が乗られる列車
他の列車と並走しない、追い抜かれてはいけない、立体交差では上の線路を他の列車が通行しない等厳しいルールがある
また運転士も発車、停車に衝撃を与えず、到着時の赤じゅうたんにっぴったりと止め、歓迎の吹奏楽演奏の終わるタイミングで停車させるなど高い技術が必要だった
今上天皇の意向により運行は減っている


◯戦争取材の殉職者
国家対国家の時代は少なかったが、国家対テロ組織の時代になってから増えた
例:パレスチナ紛争ではジャーナリストを見方につつけて大義を発信するため、丁重に扱われた


◯戦争取材をするジャーナリスト
死ぬことに達観し、退屈な日常よりも、世界の真実が転がっている非日常である戦場を選んだ


◯ラコタ族の人間性の判断
貧しい人に気持ちよくあげられるかどうか。狩猟生活ではその日の獲物を家族以外にいかに分け与えることが出来るかで判断された


◯モノが潤沢ではない社会
モノは停滞せずに巡回している。いつかまた自分のところへ戻ってくる。そうした社会では「ケチは泥棒より悪い」


◯北朝鮮の次の指導者候補
3男「金正銀」


◯フェルガナ盆地
ウズペキスタントタジキスタン国境を接する盆地
この地域にはイスラム原理主義者が潜伏している


◯グレートゲーム
19世紀から20世紀初頭にかけてロシア帝国と大英帝国による中央アジアの覇権争奪戦
21世紀では米国になった


◯キルギス政変
キルギスの政変後からロシアが介入していると思われる
目的はロシアにとって都合の良い政権をつくること
アメリカはアフガンで手一杯でキルギスにまで手がまわらない状態


◯天皇陛下御即位20周年DVD店晒し事件
宮中祭祀、戦没者慰霊、被災地へのお見舞いなど、両陛下の歩みを収めたDVDが各小中学校に配布されていた。
大阪日教組はこれを生徒に見せることなく、隠蔽していた


◯国会議員大阪立入禁止
元国交大臣中山成彬は日教組批判を繰り広げたため、日教組は大阪に立入禁止にした


◯大阪府教育委員会
元日教組の巣窟。組合員から府教委に入り、教頭・校長を勤め、戻ってくる。
大阪府議会の日の丸掲揚の決定を全く守らない。
日教組の顔色ばかり伺う組織。


◯アメリカの「専門家」
一般的に修士以上の資格者を指す


◯アメリカ人と地球温暖化
アメリカ人は24%しか二酸化炭素による地球温暖化を信じていない
理由はアメリカの天気予報キャスターの3/4が懐疑的だからである
なお彼らの中で専門家は17%だけ
彼らの専門的知識と関係なく、影響力は大きい


◯エースパイロット
戦前は敵機を5機撃墜したらエースパイロットといわれた


◯華人参政支援協会
華橋によるグループ。参政権獲得の活動を行っている


◯事業仕分けと中国
中国は事業仕分けを詳細に分析しており、優れた研究者を中国の研究機関にスカウトしている


◯普天間問題と中国
基地移転先で反対運動を起こし、反米感情を煽る世論操作を行っている


◯中国の沖縄総領事館
麻生政権時に打診したが断られた
目的は在日米軍の調査。民主党政権下で実現する予定


◯第一列島線
日本列島、沖縄、台湾、フィリピンを結ぶ線
2010年までに中国はこの海域の制海権を獲得するつもりである
最近の海自への威嚇行動はこれに関するもの。プレゼンスの誇示が目的である


◯第二列島線
伊豆諸島、小笠原諸島、グァム、サイパン、パプアニューギニアを結ぶ線
2020年までに中国はこの海域の制海権を獲得するつもりである


◯沖ノ鳥島
日本の島。中国は岩と主張している
この島により日本は周辺約38万平方キロメートルのEEZを確保している
この島がなければ、中国によるこの周囲の海域の調査や詳細な海図の作成が可能になる
これは潜水艦の自由な行動を意味する


◯沖ノ鳥島爆破計画?
第一列島線と第二列島線の間にある沖ノ鳥島を破壊することで第二列島線の制覇を推進する計画

2010年5月13日木曜日

資格クィーンが教える 一発合格の勉強術


●概要
特別な能力があるわけでもなく、特別に何かを持っているわけでもない。そんな、普通の人間が、頑張って資格試験に合格するコツ。本書では、そのすべてを伝 授。


●内容
○そめい流 一発合格の五ヶ条
1 合格は最終目標ではなく、一つの通過点であると認識する
2 受験勉強の終の日を自分に約束し、それを守る
3 自分は何も知らないということを自覚し、素直に勉強する
4 自分が満足できる答案でなく、採点者が満足する答案をつくる
5 「合格したい」ではなく、「合格する」と強く思い続ける


◯資格の本質
1 目標達成のための手段
2 資格をとっても、使い方は人それぞれ
3 資格をとっても、上手くいくとは限らない


◯資格の種類
1 技能資格
2 免許資格


◯資格の森で迷子にならないために
資格試験はあくまでも夢や目的を実現するための手段に過ぎないと心得ておく


◯「資格=オールマイティ」幻想は捨て去る
資格があっても、一気に収入が増えるわけではない


◯広くまんべんなく知識をつけることが基本
試験は基本的なルールを理解しているかをみるもの
試験を合格して実務を経験し、本物の専門家になれる


◯試験では80%できればOK
実際の業務と違い100%でなくてもよいからやさしい


◯期限が決まっているからバカ力も発揮できる
切羽詰った方が人間はがんばれる


◯資格試験には隠れた使いか道もある
実務で使う以外にも、その分野の知識を得るためにも使える


◯資格取得にかかるコストはお金だけじゃない
時間もかかるから、早くとった方がいい


◯独学ができる人できない人
時間があって気力がある人は独学でいい
それ以外の人は専門学校がいい


◯自分自身に「コミットメント」を課す
自分で期限を定めないと、何時までも受験生になってしまう


◯挑戦を断念することだって立派な戦略
面白くなければ辞めるのもまた一つの手。続けても時間の無駄かもしれない


◯「入り口合格する不幸」もある
複数科目のうち、最初の一科目を簡単にとってしまうことで、その資格取得をずっと続けてしまう


◯「完璧の法則」に陥らないために
カンペキだと思うのは危険。勉強すればするほど分からないところが増えていくのだから


◯受験マニアではなく合格マニアになる
合格することで自信がつく


◯プライドは捨てて素直な気持ちで勉強しよう
とにかく先生の言うとおりにする。自分の意見にこだわるのは危険


◯知らないことを聞くために学校は存在する
分かっていたら学校にいく必要はない。質問するところ


◯模範答案を真似することからスタートする
「学ぶ」は元々「真似ぶ」からきている。模範解答が基本だと知る


◯答案には受験生の品位が透けて見える
自分ヨガりの答案は点数は低い。


◯合格するための講師選びのポイント
果たして優しいだけの講師でいいのか?


◯受験の主のペースに巻き込まれてはダメ
学校に行って話し込んで帰る。最悪のパターン。
南海も受験しているような人は参考にならない


◯初級クラスでも働きながらでも合格できる
初級だろうが受かる人は受かる。クラスを気にするな


◯テキストの読み方① 読み飛ばすことから始めよう 
一気に全体に目を通し流れをつかむ。

◯テキストの読み方② 来年の受講料を今年の本代に回すつもりで
本一冊のために合格できなかったら勿体無い。とにかく悩んだら買え


◯問題の解き方① 模範解答を横に並べて問いてみる
問題集は模範解答の正確さで選ぶべき


◯問題の解き方② 解答はすべて問題文の中にある
設問の意味を考える


◯直前学習の仕上げは「カンニングペーパー」づくり
まとめノートがあると試験当日便利である


◯分厚いテキストは解体して使おう
受験勉強の負担が減る。荷物が減るので。


◯問題集はコピーをとるより2冊買うこと
コピーは意外と時間もカネもかかるので、2冊買ったほうがお得


◯問題やテストは2つの箱に振り分ける
できた問題とできなかった問題に分け、次にまたできなかったはこの問題を解いていく。最終的に全部できる。
箱から問題がなくなっていくのは楽しい


◯問題を暗記するまで反復練習する
条件反射的に問題を解けるようにしよう


◯勉強中は難しい問題から解いていく
後で優しい問題を解くことにより、その日はいい気分で終われる


◯スランプを感じたら思い切って休もう
やる気が湧いて出ることもある


◯「やった」という達成感を大事にしよう
自分へのご褒美を用意しよう


◯通信教育は何を基準に選べばいいか
カセットテープ付きの教材が良い。いつでもどこでも聞けるので。
またスタジオ録音版と生音声版は、生音声のほうが印象に残る


◯通信教育で届いたテープはすぐに聞く習慣をつけよう
教材は届いた日から強引に勉強を始める。新しいままだと勉強する気になれない


◯添削テストを先に説くことのメリット
先にテストを解き、出題しところをテキストに書き込む。最終的に必要なところだけがマーキングされたテキストの完成。


◯講義のカセットテープを生活のBGMにする
いつでもどこでも聞く


◯倍速にして、時間短縮と集中力アップを図る
倍速にすると、講義の音声が変な声になって印象に残る


◯暗記したいことは自分の声で録音する
まとめノートの音声版。どこでも聞けて良い


◯時間が足りなければ作り出せばいい
余暇時間を潰せばいくらでも時間がある


◯時間を二重に使う「ながら学習」をマスターする
カセットテープで音声を聞きながら、恒常業務を行う


◯採点官に理解してもらえる答案を心掛ける
小学生が読んでも分かるような答案を作れば高得点


◯1点でも多く稼ぐ必勝の原則① 順番を無視する
わかりやすい問題から解く

◯1点でも多く稼ぐ必勝の原則② 次の問題に瞬間移動する
1秒考えて分からなければ、2分考えても分からない。さっさと次へ
他の問題を解いているうちに分かるようになることもある。大脳生理学にも証明されている


◯解答用紙の書き方① まずは最後のマス目に。を書き込む
ここまで書くという決意表明
文末のバリエーションは多い方が便利


◯解答用紙の書き方② 書くことがなくて困ったときは
空白をとにかく無くす。思いついたことを書け


◯試験日、時間、会場はしつこいまでに確認する
間違えたら今までの努力が無駄になる


◯試験会場を自分の馴染みの場所にしてしまう
下見は確実にしよう。トイレはチェック。


◯試験開始前、自分自身に暗示をかける
集中する


◯集中力がそがれたら、一分間瞑想してみる
リラックスできる

◯試験終了後はすぐに気持ちを切り替える
一科目終わったらすぐに次の科目の用意をすべし

スパイのためのハンドブック

●概要
あなたはスパイに適しているか? スパイ養成の方法は? 金銭問題や異性問題にはどう対処するか? 引退後の生活は?――著者のロッツは元スパイ。イスラ エルの情報部員としての波瀾にとんだ経験をもとに、豊富なエピソードを盛込み自己採点テストを加えて、世界で初めてのスパイ養成本


●内容
○情報部員に必要な人間
・情報部員は生まれついての冒険家である
・情報部員は嘘の大名人でなければならない
・しなければならないことをしない勇気の持ち主。人の事を口出ししない、子供や子犬を虐待しているモノにちょっかいを出さない人は最高得点
・都合により法律を敗れる人。法律を破らない人はバカ
・軽犯罪法にも用心深く避けれる人間
・酒を多く飲めること。酒飲みは酒飲みしか信用しない


○情報部員に向かない人物
要注意人物は世直しを望むような徹底的な理想主義者。与えられた任務を大きくはみだす、または騎士道に則るものには用はない


○情報部員の適齢
25~35歳


○高い地位に登れない情報部員
通常任務を超えて絶対に行動しない人


○情報部が候補に接触するタイミング
彼らは私に近づく時期を完璧に見計らい、心理的に見て調度良い時を選んで動きに出る


○情報部員の種類1(密告者)
彼らは自国内で働き、主として本国政府の防諜部によって用いられる


○情報部員の種類2(敵国籍密告者)
スティンガーとも呼ばれる。彼らも自分の国に住んでいるが、外国の組織のために情報を収集する


○情報部員の種類3(二重スパイ)
相手の工作員を密かに抱き込む。敵側の工作員を捕らえると、彼を転向させようとするのは、殆どの国の情報部で標準的な慣行である


○情報部員の種類4(特殊工作員)
特殊任務の遂行に派遣され、任務完了と同時に基地に帰還する経験豊かな、行動な能力を持った工作員


○情報部員の種類5(駐在工作員)
継続的に敵国に常駐する。自分で社交界等に出席し情報源を開拓し、育てななければならない


○拘束後の自白
囚われの身になったスパイが沈黙を守り通し、尋問者に何も話さなかったという話は、尋問の係官がいい加減な仕事をしない限り、全く虚構の世界に属する出来事である


○拘束後の暴露を防止する手段
「区画の整理」
人間はどんな圧力を加えられてそれに耐えることになろうとも、自分の知らないことは言えない


○尾行の種類1(公然とする尾行)
少しも自分を隠そうとせず、目標を近距離に保ってついていくことである。対象者を秘密活動に従事するのを妨げるのに役立つ


○尾行の種類2(隠れて行う尾行)
目標につけられていることに全く気づかれてはいけない


○スパイに最も必要な才能
幸運な出来事を考えうる最大の自身の利益に転換する才能。これの体得を望まない人は良い情報部員になれない
誰にでも訪れる幸運を逃さないことが肝心である


○偽装とは
任務継続中に用いる身元である。この第二の皮膚に身を包まなければならない。役にはまりきらなければならない。


◯ニセ経歴
偽装の基礎となる一部分あるいは全体が捏造された経歴


○偽装のポイント
・ニセ経歴に基づいていること
・偽装はあなたの外見に合わされるべきものであり、逆はない
・偽装に利用した人物の外見だけでなく、性格的特徴、性癖も考慮しなければならない
・あなたが資格を持っていない専門職、肩書あるいは生業を用いるな
・生活様式が偽装に完全に適合していなければならない
・ニセ経歴が出来る限り真実に近くする
・情報工作している国の法律や規律を最新の注意を払って遵守する
・仮に軽犯罪で逮捕されても、小さな犯罪を認め大きな犯罪を隠せ


◯情報部員のタイプ1
注意を引かぬ特徴もない凡人


◯情報部員のタイプ2
目立つ人で、脚光を浴びていなければ落ち着かないといった外交的な性格の持ち主。逆に工作員とは思われにくい


◯いかなる犠牲を払っても任務を遂行せよ
というのは、この目的のためにはいくらでも必要なだけの金を使っても良い権限を与えられたこと


◯駐在工作員の夫人
夫人は同行あるいは合流する前に、情報部からある程度の教育を受ける


◯情報部員の給料
秘密情報部員という職業は最も高給取りの部類に入ると思われがちだが見当違いである
情報部は給料とか現地工作員の経費を慢性的に出し惜しみすることで悪名高い


◯情報部がボーナスを出すとき
連中が大した理由もなく金をポンポン出すときは警戒を固める時なのである。こういう時に決まって汚い仕事が待っている


◯見習い情報部員を辞めさせない方法
辞めるという見習いは多いため、彼らは予防処置を開発した。それは金銭的に破滅させる方法である


◯贈収賄の呼び方
祝儀、心づけ、報酬、据え置きローン、功績に対する謝礼、友人への支援


◯その人の値段
大抵の人には正札がぶら下がっている。その人に適した賄賂を送るべきである


◯賄賂の必要性
雇用者は賄賂なしでやってもらいたいが、それは不可能である。
取引先が雑魚であろうと地位の高い人であろうと、寄せ餌をばらまくことは良いことである


◯賄賂のポイント
極端な手段は極端な場合でのみ用いるべきである


◯研修時と逮捕後の話
逮捕されたところで大して恐ろしいことは身に降りかからないとたかをくくっている情報部員は、身の安全という点でいい加減になり易い。そういうわけで、研修生は逮捕とその余波という題目についてはほとんど話してもらえない
敵側を軽んじ、偽物の安心感を獲得することは、神経過敏になって肩越しに振り返り、ありもしない危険を感ずる習慣と同じくらい危険である


◯尋問の種類
アラブ、アフリカ、中南米では拷問が常套
共産国では科学的な洗脳法及び薬物を好む
西側諸国も尋問に出る検査官は法律に縛られないから要注意


○ダメな尋問
尋問者がかっとしてしまい、捕虜を相手に鬱憤晴らしをしようなどということになれば、しまいには血まみれの参上になるが情報はほとんど得られない


○尋問事例1
まったく無関係な囚人を連れてきて目の前で残酷な拷問を受けさせる


○尋問事例2
情報を得るのに必要とみなされた程度まで行われ、欲しい情報を入手したと考えると全ての強制は止み、丁重に扱われ、思いやりさえ示された


○尋問の目的1(政治的自白を目的とするもの)
反政府活動をしたかどうかはまったく関係なく、尋問者は彼のいけにえが全く無実であることを熟知しているが、どんな手段を用いても自白書に署名させることが尋問官の任務である
この場合、助けを借りずにペンを握れるうちに相手の求める自白書に署名してしまうのが最良の策である


○尋問の目的2(スパイからの情報入手)
尋問官の目的は本物の情報の入手である。話すこともできなくなるほど痛めつけられない
尋問官は全てを知っているというが、これは仮に殴ってくればくるほど、彼らが知っていることは少ない
この場合に陥った場合、大きな嘘に小さな真実を混入し、ほんの少しの真実を提供して相手に確かめさせ、それを手の込んだ嘘で飾り立て、違った方向に導く
その巧妙な嘘は彼らは自分たちが賢いと有頂天になり、大きな嘘に行き着かない


○寝返り
情報部は寝返った場合に常に備えており、寝返ったこと、さらに敵側に何をしているかを味方側に知らせる方法が予めいくつか手配されている


◯刑務所とは
刑務所とは魅惑的な場所である。それぞれが自身一つの世界を形成し、独自のルールと支配者を持った社会である。刑務所の管理当局が実際上の支配者である場合は稀である。当局が定めた規則は、牢明主グループが押し付け厳重に実施する規則により大きくとって変わられる


◯牢名主
当局から対した干渉を受けずに、事実上刑務所を運営している少数の収容者グループ


◯監禁場所の種類(拘置所)
囚人が裁判を受けたり、刑を宣告されるに先立ち、短時間とどめおかれる拘留の場所
スパイの場合、地下牢に閉じ込められ、ろくな食事も与えられず、何ヶ月も辛い尋問を受ける可能性が高い
できるだけ早く有罪の判決を出させて、通常の刑務所か懲治監に送ってもらうのが最良である


◯監禁場所の種類(刑務所)
リラックスした雰囲気のもと短期刑あるいは中期刑を勤め上げる。通常、刑務所当局は何事も平穏無事に保とうと努める


◯監禁場所の種類(懲治監)
15年から無期懲役を勤め上げる。囚人は脱獄のことしか考えていない


◯刑務所での身の置き方
早々と牢名主グループに賄賂を渡し仲良くなっておく。また看守等にも賄賂を贈る。そうすればある程度の自由が効き、望みも叶えてくれる
刑務所当局のいう「良きふるまい」など一文の価値もなく、なんの役にも立たない


◯入獄経験
入獄経験のないものは、文明国の行刑当局に勤務する全ての心理学者は言うに及ばず、囚人の心の動きを完全に理解することはできない


◯引退
満足な健康状態で引退できるスパイは相当運がいい。お金に困る人が多い。作者のように

2010年5月1日土曜日

グーグル・アマゾン化する社会


●概要

多様化、個人化、フラット化した世界で、なぜ一極集中が起きるのか?気鋭のジャーナリストが、ネット社会の矛盾に斬り込む。



●内容

○インターネットとは
世界中のコンピュータを接続する通信網全体

◯Webとは
インターネットの中で相互にファイルを交換しあえるシステム


◯アフェリエイト(アソシエイト)
ウェブサイトに企業のリンクを張り、ユーザーがそこを経由して商品を購入したりすると、サイトの管理者に報酬が支払われるシステム


◯ブロゴスフィア(ブログ圏)
常連の読者がいる集まり


◯タグ
欲しいデータをデータベースから引き出すための手がかり


◯「フラット化する世界」
世界は分散化し、現在の社会が情報によって平坦化しつつある。世界中の個人や企業が、等しく情報を扱うことが可能になった世界が到来した

さらに付け加えると巨大な一極集中とフラット化社会である


◯googleの理念
グーグルが検索結果で提示しようとしているのは「最大多数に対する最大関連性」


◯ティッピングポイント・収穫逓増
売れているものがメディアで取り上げられることで注目度を増し、さらに売れるというスパイラル現象


◯web2.0的な企業の条件
・パッケージソフトではなく、費用効果と拡張性の高いサービスを提供する
・独自性があり、同じものをつくることが難しいデータソースをコントロールする。それは利用者が増えるほど充実する
・ユーザーを信頼し、共同開発者として扱う
・集合知を利用する
・カスタマーセルフサービスを通じて、ロングテールを取り組む
・単一デバイスの枠を超えたソフトウェアを提供する
・軽量なインターフェース、開発モデル、ビジネスモデル


◯web2.0とは
ユーザー参加型であり、ユーザーが提供したデータに基づく「膨大なデータベース」によって構成されるサービス
ユーザー参加型というよりユーザー依存型


◯日記とブログの違い
・時系列で自動的に各ページを生成し、固定のURLを設定する。
・コメントやトラックバックを持つ


◯スケールフリー・ネットワーク
分散されながらも、自律的に拡大していくネットワーク


◯スケールフリー・ネットワークの特徴
1 成長がある ー 時間の推移に従って、結節点が増えていき、その結果根とワークが出来る
2 優先的選択が起きる ー 新しい結節点ができる際は、当然ながら古い結節点と結ばれる必要があるが、その際に新しい結節点はすでに多くのリンクを持っている古い結節点を優先的に選ぶ。そこ古い結節点は時間が経つごとに多くの結節点を獲得していく
3 魅力的な適応度があれば後発でもハブになれる


◯複雑な世界、単純な法則
製品の販路を拡大する簡単な方法の一つは製品を有名にすることだ
何かを選択する際、知名度を拠り所にするほうが楽なことは誰でも知っている


◯ヒットの流れ
最初に商品に飛びつくのは、ごく一部のマニアックな新しいもの好き。その次に、もう少しある程度感度の高い人が集まってきて、それが臨界点を超えると爆発的に売れる


◯主流感PR
消費者側にしてみると、広告のようなストレートな表現ではなく、ニュースとして接することでその商品の印象が強くなる。従ってその商品が主流であるように意識することになる


◯情報外部性
状況が曖昧で不透明なときには、周りと同じことを自分もすれば良いというのが支配的な考え方のようだ。これは考え方として合理的である


◯収穫逓増
ある一定の集合体が組織され、外的要因ではなく、内外的な要因によって力をつけていくプロセスを示したもの。何らかのきっかけでそのプロセスにうまく入り込み、ある臨界点を超えると、容易なことでは下降せず、一定の力を持ち続けられる


◯80対20の法則(パレートの法則)
収益の80%は社内の20%の人間によって生み出される

世界の80%の富は、20%の人によって生み出される


◯パーソナライゼーション
自分の希望に合わせて設定を変更し、自分が関心のある情報だけを効率良く吸い上げる。ウェブで無数に広がる情報を自分の興味に拠って絞り込んでいく


◯パーソナライズド検索
それまでの検索履歴から、ユーザーの思考に沿ったかたちで検索結果を導いていくれる検索


◯セマンティックウェブ
単語の持つ意味やコンテキスト(文脈)から情報検索を行うウェブ
かなり複雑で限定的な検索に対して適切な結果を返すことができる


◯セマンティックウェブの懸念
メタデータまでも含むほど情報量が膨大になった時、そこまで大量のデーターを保有するサイトは、ウィキペディアやアマゾンのような大きなサイトに絞り込まれてしまうのではないか


◯アマゾンの売れ方
アマゾンにおける13万位以下の書籍の売上が、全体1/3


◯ロングテールの弱点
あまり売れないロングテール商品を沢山持つと、在庫の値段がかかる。アマゾンやグーグルのようなスケーラビリティをもつサイトしか成功がない


◯パーソナライゼーションの弱点
見知らぬものとの出会い ー 偶然性による情報や人の発見が大幅に減る


◯集団分極化
情報はその特定の集団の中だけで偏って流通する


◯「みんなの意見」は案外正しい
集団が出す答えの平均値は正解に近く、その数値は任意の個人と比較した際、たいてい優っている


◯正しい集合知を得るための条件
1 意見の多様性(各人が私的情報を多少なりとも持っている)
2 独立性(他者の考えに左右されない)
3 分散性(身近な情報に特化し、それを利用できる)
4 集約性(個々人の判断を集約するシステム)


◯沈黙の螺旋
自分の意見が優勢と判断した人は声高に発言し、劣勢と認知した人は孤立を恐れ沈黙する。その結果、優勢意見はより勢いを増し、劣勢意見はますます少数意見になる


◯スノーボール調査法
調査対象に対して自分の親しい人にも同じ調査を依頼する

人間関係によって知識の共有が分断されていることがわかる(同じ意見の人ばかり周りに集まる)


◯検索結果に対するアプローチ
検索ページの結果に対して30項目以上見る人は全体の2%


◯現実社会での合意形成
対立する意見がある時、互いに合意点を見出そうとするのではなく、多様な意見を排し、自らの主張を正当化させる分極化の力学が働く傾向がある


◯サイバーカスケード
意見の急速な一極集中


◯合成の誤謬
マクロでは正しくとも、ミクロでは成立しない


◯主体ある思考は存在するか
本人がいかに周囲とは関係ない主体的な発想だと主張しても、とりわけウェブのような情報だけが流通するネットワーク空間においては、周囲との相互の影響を避けようがない
そうした情報の相互作用を常に意識していないと、大きなアーキテクチャーの中で自らも影響を受けていることに、無自覚になっていしまう


●まとめ
情報化社会の果ては一極集中だった