2010年6月28日月曜日

アフリカ・レポート

●概要
豊かなジンバブエの農業を一〇年で壊滅させ、アパルトへイトを克服した南ア共和国を犯罪の多発に悩む国にしたのは誰か。中国の進出、逆に国を脱出するアフ リカ人の増加などの新しい動きを追い、同時に、腐敗した権力には頼らず自立の道を求めて健闘する人々の姿も伝える。三〇年近いアフリカ取材経験に基づく、 人間をみつめた報告。


●内容

◯レイシズム
差別主義者
アフリカの政府関係者にとっては、レイシズムと叫べば批判を封じることができた


◯現在のジンバブエ
人工の1/4が周辺国に脱走
脱走者の多くは働き手の20,30代
インフレ率数憶%


◯当時のジンバブエ
「アフリカでもっともめぐまれた独立」と言われた
農業基盤が完全に近く、社会基盤がなにもないアンゴラ、モザンビークとは天と地の差があった



◯ジンバブエの失敗
白人を強制退去させて、大規模農場を奪ったが、奪ったゲリラに管理能力がなく、荒廃させるだけだった
独立戦争時の闘争ゲリラに無計画に年金を支出した。クーデターを恐れたため
コンゴに派兵。奥さんのダイアモンド鉱山を守るためだった


◯農業普及員制度
当時のジンバブエの優れた制度
農業高校をでた若者が数十の農家を受け持ち、農業指導をする
この制度のおかげでジンバブエは豊かだった
独裁者ムカベはスパイだと言って制度を破壊する


◯政府と農業
農業は利権に繋がらないので誰も興味を持たなかった


◯大規模農場摂取
白人のせいで黒人は搾取されているといい、強制退去。
大規模農場を運営させる能力もなく、大量の黒人を失業させた


◯摂取した土地
白人農場の多くは政府幹部の間でやり取りされている


◯価格半減令
スーパーのものが高いで庶民に買えるよう半額にするようにした
従わないものは逮捕
結果原価割れして、スーパーはモノを売らなくなり、スーパーインフレ


◯ジンバブエの医師
インフレで給料が少なすぎるため、ほとんどの医師が海外に出て行った
ジンバブエには医師が一人もいない
医師以外にも技術者も全て出て行った


◯アフリカの指導者のパターン
体制を維持するために敵を作り出し、自分への不満をすり替える


◯アフリカの選挙
ほとんどの国家が他部族国家であり、選挙結果は出身部族の人口比で決まってしまう
部族は自分の部族のことしか考えない。国家意識はない
国家は部族に富を持ってくるもの
国から富を持ってこない指導者は無能
わいろをとっても部族の面倒をみる文化


◯アフリカの国家
ヨーロッパが勝手に線を引いてできた国ばかりであり、国家意識は全くない


◯ジンバブエの大統領選挙
2008年実施
開票がなかなか行われず、ムカベが負けた噂される
選挙管理委員長突然の辞任
候補と大統領が過半数を得られなかったと選管が発表し、再選挙
ムカベ支持者が野党選挙事務所を襲撃。それが相次ぐ
野党候補は出馬をとりやめるしかなく、ムカベ再任
政府首脳いわく「ムカベは正当な選挙で勝利した」


◯ORAP
ジンバブエの地域NGO
「ただで物を配る援助は絶対にやらない」
ただの援助は農民を堕落させるだけだとのこと
ムカベはORAPに対して嫌がらせをしている。反政府活動をしているとみている


◯治安と農業
治安と農業は国家建設に欠かせない重要な要素だが、利権に繋がりにくい


◯南アフリカと不法移民
仕事を求め、周辺国から不法移民が押し寄せる
仕事がなく、犯罪が増加
南ァには人工の3倍の銃があると言われている


◯南アフリカの治安
検挙率25%。やり得状態
08年からジンバブエ人やモザンビーク人の襲撃が相次ぐ。「俺達が貧乏なのは移民が職を奪うから」


◯歴史的開放組織ANC
ANCは1912年から解放闘争を行って来た名門
しかし権力を手に入れたら、即腐敗した


◯南アの唯一の救い
新聞が健全。
民間に生活向上のための活力がある


◯新植民地主義(ネオコロニアリズム)
セネガル独立後、フランスは援助名目でコーペラン(行政顧問)を派遣
しかし未熟な現地官僚はコーペランに頼りきりで、コーペランが実際の行政を行っている
コーペランはフランスに有利な行政を行っている
セネガル以外、14ヶ国に派遣中


◯中国人の進出
ビジネスを求め、中国人がアフリカに進出
アフリカ人はビジネス能力がなく、中国人に市場を支配される


◯アンゴラ
アンゴラは石油埋蔵量80憶バレルでサハラ以南でナイジェリアに次ぐ大産油国
中国政府はODAで道路補修や建築を行うはずだったが、現地の人間は使わず、自国から人間を連れてきて働かせている
現地に恩恵なし


◯アフリカの失敗
教育訓練を全くせず、指導部は勤勉な労働者を育てるよりも、利権目当てで外国企業を進出させた。
そこに中国が入り込み、国家指導部がうまい汁を吸っている間にアフリカの富が国外に奪われていく


◯アフリカ人の夢
故郷に帰りたいと思う大衆の夢は、常に国家によって奪われる


◯フランスの治安
不法移民は住民登録がないので学校にはいけず、貧困の悪循環が広がり、治安が悪化する
地域がスラム化して、麻薬犯罪やテロの温床になり政治の安定を揺るがす
フランスはアフリカの押し出し圧が原因だと考えている


◯押し出し圧
若者が母国に絶望するような状況では、アフリカから押し出し圧はなくならないだろう


◯授業料と貧困
授業料がただでも、学用品や弁当は買えず、結果ドロップアウトしてしまう
そうした子どもが犯罪に走る


◯とある元商社マン
現地を搾取して利益を持ち帰るのではなく、働くことを教えることで、現地共に発展することを選ぶ


◯アフリカの国家
国家は独立したが、多くの政府は国民の代表にならなかった
時代は「国家の独立」から「人々の自立」に向かっていく


◯これまでの30年
多くのアフリカ政府指導者が援助国からの借款を私物化し、債務を国民に回されてきた

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